「おいしーい!」



葵がはじめての懐石料理に喜んでいた。



そんな姿を紫月は日本酒を飲みながら見ている。



「これも食べる?」



紫月は自分の湯葉の煮物を示す。



「食べたいけど紫月が食べて。おいしいから」



さっきからお酒ばかり飲んでほとんど食べていないんだもん。



飲んでいる姿が色っぽいのは気のせいかな・・・。



「無理しなくていいよ?気に入ったのなら頼むから」



「ううん こんなにお料理がたくさんあるんだよ?全部ちゃんと食べたいからそれは紫月が食べてね」



意外にもこんな所はしっかりしているなと思う。



さすが教授と理紗子さんの娘だな。



目に入れても痛くないくらい甘い両親だったがその反面、しつけはしっかりしていた。