「君が心配する事など何もない」



「本当?」



紫月はそれでもなお心配げな葵の鼻にちょこんと軽くキスをする。



「まだ熱が下がっていないな」



まだ熱があると判る体温に顔をしかめる。



心配する事など何もないと言われた事がすごくうれしい。



まだ赤く跡がついている頬の傷に紫月がそっと触れる。



「痛かっただろう・・」



葵はその手を取って唇に持って行き小さく首を振る。