「いいの? 紫月、一緒に入ってくれる?」



バスルームから顔を出した葵がにっこり笑いかける。



紫月は一瞬真顔になったが葵に不敵な笑みを浮かべて近づいてきた。



えっ・・・・?



葵は近づいてくる紫月に固まる。



紫月の手が伸びる前に葵は自分の身体の前で両手を振る。



「冗談よ!ジョーク」



近づいてくる紫月にトクンと心臓が音をたてた。



真剣な紫暗色の眼差しの紫月に振っていた手はいつの間にか止まっていた。