「それよりどうするのですか? 葵さん、屋敷がどこか知りませんよ」



紫月の屋敷に来た時はヘリコプターだったし、学校の移動も車だった。



唯一の今日の外出も恭臣が居たので葵は付いていくだけだった。



屋敷の所在地すら知らないだろう。



携帯もなければ葵がいくら持っているかも知らないのだ。



そしてあの容姿だ。



無事で居られるほうが不思議なくらいだ。