女性は昨日の真屋 由布子ではない。



それでも20代前半の黒髪が美しい小柄な女性だ。



若草色のサマースーツを着ていて可憐な雰囲気をかもし出していた。



「帰っていたんだ・・紫月・・・」



ボソッと葵が呟く。



「着いたばかりかも」



恭臣がフォローする。



「・・・・」



葵はうつむいてしまい今にも泣き出しそうだった。