「葵さん?」



苦しげな表情の葵を見て恭臣が肩に手をかける。



「ごめんね・・恭臣君 部屋に戻ります・・・」



葵は断ると悲しみを堪えて部屋に戻った。



茫然としたままベッドに腰掛ける。



話があるって・・・このことだったの?紫月・・・



本当に結婚しちゃうの?



そうしたらここに居ちゃだめなんだよね・・・。



それよりも・・あたしは2人を見ていられないだろう。



・・・イギリスに帰るしかないんだ。



家族のいないあの家に・・・。