「あらっ、彼氏が来ていたのね わたくしたち、もうすぐ結婚するの このお屋敷に居られては迷惑だから 早急に出て行って欲しいの でも、こんなに素敵な彼氏が居たなら問題はないわね」



にっこり葵と恭臣に微笑みかける。



「真屋様、今日は紫月様がおりませんのでお帰りくださいませ」



宇津木が由布子に言う。



「まあ、早くわたくしを追い出したいのね それでは葵さん」



由布子が葵に近づいて右手で頬に触る。



「っ・・・」



由布子の長い爪が引っかかり葵の頬から血が一筋流れた。