看護師に昨日の状態を聞くと、京一郎は葵の細い腕に注射を打つ。



注射をされても葵は目を覚まさなかった。



「本当に眠り姫のようだね」



葵を見て呟く。



京一郎は微笑むと看護師に違う看護師と代わるように命じ部屋から出て行った。



廊下に出ると宇津木が京一郎を待っていた。



「どうでしょうか 葵様の具合は?」



「大丈夫ですよ 熱が下がり始めましたし ゆっくり眠らせてあげてください」



そう言うと宇津木は顔に笑みを浮かべ玄関で京一郎を見送った。