ホテルのボーイが葵側のドアを開けた。



先に葵が降りると紫月が続く。



「お待ち申しておりました ミスター・ユウキ」


待ち構えていたようにスーツをびしっと決めた恰幅の良い男性が迎える。



「時間があまりない よろしく頼むよ」



「ご用意はできております」



深く頭を下げる支配人。



紫月は葵の背に手を当ててホテルの中へ入った。