「彼女がお前のお姫様なんだな?」



うわ言を繰り返している少女はやっと深い眠りに就いた。



京一郎の診察が終わると紫月は再び葵の側に来た。



「ああ・・・・」



いつになく心配そうな紫月を見て京一郎は首をかしげた。



こじらせてしまった風邪だがそんなに心配するほどのことでもないだろうに。



「そんなに心配なのか?」



京一郎は聞いてみた。


聞いてみない事にはすっきりしそうもない。