「あ、いた!どこ行ってたの?」



教室へ戻ると茶髪のポニーテールを揺らし、真っ先に私の元へ駆け寄ってくる幼なじみの咲本ゆき。



ゆきはいつもにこにこしている元気な感じの女の子。



「屋上」



その言葉を発した瞬間、ゆきから笑顔が消えた。



「なっちゃんさ、屋上で誰かに会ってない?」



乱れた呼吸を整えながら答える。




「あ…綾瀬…って人に話し…かけられたよ」



私が話をするのと共に雪の表情はどんどん曇っていく。