グラウンドが万国旗で彩られ、空砲が試し撃ちされる。

一夜のうちに、至るところに白いテントが建てられ、生徒会役員や体育委員が駆け回っている。

いつも通りに理沙と登校してきた私は、いつもと違う学校の様子に少し浮かれていた。

「朝練より早く準備始めるんだね」

ポツリと理沙が呟く。

そう、体育祭の日でも、バスケ部は通常運転だ。

入学して初めての大会は、もう来月に控えている。

体育祭が終われば、部員一同大会に向けて切り替えて、日夜練習に集中するようになる。

大会より前に試験もあるが、学年最初の試験よりは難易度は高くないので、なんとかなるだろう。

「柚姫は、二人三脚だけだっけ?」

「ええ。他は応援に徹するわ」

何にせよ、今日は体育祭だ。

楽しもう。