「この人振られたの?」


「は?」


突然、男はマスターにあたしのことを訪ねてきた


「ちがうのよ!彼氏にドタキャンされてやけ酒してんのよ」


「…あっそ」


その一言だけ言うと再びお酒を飲み出す男


「あのさ、今笑った?今笑ったよね?なんなのあんた!」

「ちょっと、エレナちゃん!絡まないの!」

「いや、そんな人今時いるんだと思って」


はっー⁈⁈⁈
なに?なに今の⁈
小馬鹿にしたよね?今
絶対したよね⁈


「あんたになにがわかんのよ、ほっといてよ」


悔しい
なんでこんな奴に馬鹿にされないといけないの


大量の涙が溢れてきた



「あーあ、航!余計なこと言わないの!エレナちゃん⁈大丈夫よー」


マスターが優しく慰めてくれる
それに比べてこの男はなんなの⁈


「あんた、お酒付き合いなさいよ!そのひん曲がった根性直してあげる」

「ひん曲がってんのはそっちじやないの?笑」

「はー⁈なんなのあんた⁈」


それから何杯飲んだか覚えていない
航と呼ばれる男にグチグチ日頃のうっぷんをぶちまけた。