無表情で門を抜けた先、厳つい顔をしたヤクザたちが1列に並んで私を出迎える。



一斉に四方八方から放たれる「おかえりなさい」の声に、私は何の反応も示さない。


罪悪感はあるけれど、父親に会う前から心を殺す準備をしておかなければ私は耐えられない。




ヤクザたちの大行列を素通りして、私は自分の部屋に足早に向かった。



さっき、電話で言っていた金龍──それは、殺し屋の時の私のことだ。一応通り名的なものかな。


金龍はバンダナで顔半分を覆っており、対になっている2つの日本刀と、リボルバーて素早く獲物を捉える。

仕事が早いため、誰も金龍の顔や姿を見たことがないと言われている。



…私は、自分が殺した人たちの死体を見たくないから、早く殺す。早く任務を遂行する。…早く、その場所から立ち去るんだ。