乗り込んだ車が静かに走り出すと、私は窓に頭を預けて目を閉じた。
…目を閉じて、パッと思い浮かんだのは、死んだ副総長の顔。
…私のこと、恨んでるかな…
『なんでお前が死ななかったんだ』
って言ってるかな……
そのまま私の意識は、深い闇に沈みこんだ。
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「…う、じょ…お嬢!」
「…ん……」
「着きました」
「…さんきゅ」
運転手によって開けられた扉から車の外に出れば、目の前には鋼の扉。
その横には、『白河組』と書かれたプレートが掲げられていた。
いつの間にか、見慣れた風景。
…いつ来ても、見慣れない風景。
ギィィ…と錆びれた音を発しながら開く扉に、目を向ける。