やばいやばいと焦りながら舌打ちし、10分もかかる道のりを約5分で駆け抜けた。

(伶香はとても足が速いです)




「…っ、はぁ…はぁ………ふぅ」



理事長室のバカでかい扉の前で、少し乱れた息を整える。

怒られたら怖いから、気配を消してそっと扉を開けた。



…が。




──キィ…




「…っ!(やばっ)」


翔「ん? いまなんか音しなかったか?」


京「…俺には誰かいたように見えたが…」


翔・京「………………」


翔・京「……気のせいか」




…2人が用心深くなくてよかった。
改めてそう思った。