《雪火 side》
蓮「……なんだったんだ」
昴「…なんだったんでしょう…。
急に席を立ったと思ったら、鞄掴んでものすごい速さで教室を出ていった…」
短時間に予想もしないことが立て続けに起きると、人間は放心状態になってしまうのか。
昴はそんなことを思った。
蓮「というか、あいつ、なんか…」
雰囲気が、あいつに似てる…そう言いたかった蓮だが、寸のところで食い止めた。
あいつは、もう雪火とは関係ない。
そう思うと余計に言葉が出なかった。
続きを言わなかった蓮に昴は疑問に思うが、蓮が顔に浮かべている表情を見れば、思っていることなんてすぐにわかった。
昴「…(大方、裏切り者の伶香さんのことを考えているんでしょう)」