つ、次は絶対泣かせてやるんだから!
と言って尻尾をまいて逃げたパンダに、唖然。
……え、今ので退散できちゃったの?うっそ、弱くない?笑
というか次って…今回は何をしたんだろう。ただ「裏切り者」って言いに来ただけ?
なんだったんだろう、そう思いながら私は机の中に手を突っ込んだ。
「………っ!!!」
机の中に突っ込んだ手に、痛みが走る。条件反射で咄嗟に手を引けば、手のひらから大量に滴る赤黒い液体。
机の中にカッターの刃がいくつか仕掛けられていたらしい。切ったところが悪かったのか、持っていたハンカチで手を抑えても出血は止まらない。
「…くそったれ、これはやられた」
ぽそっとつぶやくと、一瞬ハンカチから手を離して鞄を掴みあげると、また傷を押さえて足早に教室を立ち去った。