…悔しい、ばか祥太。

もっと優しくしてくれてもいいじゃない。


もっとドキドキしてくれてもいいじゃない!




私が、落ち込みながら、少し涙ぐんで、むっくりとベッドから起き上がると、


「栗ちゃん、ごめん」と、透き通るハスキーボイスが背中をそわそわさせた。


私が振り返ると、手を引っ張られて「わっ」とバランスを崩して祥太の上にまたがる。



「、な、何….」


さっきよりも、断然優しくて、それでいて意地悪で妖艶な表情に、心拍数はいっきに上昇する。


だから、それ以上何も言えないし、抵抗する気もなくなっちゃうんだ。



「本当に、勝手に入ってこないで。」


そう優しく言って、私の涙を拭ってくれる。
……

「……うん…ごめん…」


静かになだめられる様にそんなことを言われたら、そう言うしかない。

確かに、彼女だとは言え夜に急に押しかけられたら迷惑だよね。うん、わかってたけどさ…


でも、でも、やっぱりさみしいっていうか…



「抱いてもいいんだと思っちゃうでしょ」


「…へ?」


「我慢できなくなる。さっきひどいこといってごめんね。」



……へ?


ポンポンっと私の頭を撫でて、真剣にそういう祥太。


つまり、そういうこと?


我慢できなくなっちゃうから、夜に部屋に来ないでって、

我慢できなくなっちゃうから、早く出ていってって、


つまり、そういうことだったってことってこと?



私、そんな都合のいい解釈をしちゃっても、いいんでしょうか、神様。