「次喋ったらヤるからね」


と、さらっと言い放って
私を抱えたまま目を閉じて眠ってしまった。



「は、は、はぁ〜!?何言ってんの!!

てか寝ないでよ、起きてってば!!」


私が赤くなってパニックに陥りながら、祥太の胸の中で騒いで暴れると、



祥太が不愉快そうに目を開けた。


よし、起きた!このまま騒ぎ続けて…



そのとき、祥太が手を伸ばして、

カタッ…と頭上のベッドの棚の引き出しから何かを取り出す音が聞こえたかと思うと、

祥太が口もとに何かを持って行き、歯で封を開けた。


「祥太なにそ……


きゃぁぁぁぁぁぁああ、祥太のバカ!離して!変態!!!!」


こんなものをスッと宮棚から取り出してピュアな乙女に見せつけるとはとんだ野郎だ。


「栗子の策略じゃないの。

いつまでもうるさくしたら、抱いてもらえると思ってたんでしょ。

望み通りいいよ」



「ちが…!!ばかばかばかばか、もう嫌い!ばか!!帰る!」


「やっとその気になったか。じゃあね、おやすみ。」



祥太がすべて計画通りとでも言うかの様に、すっと私を抱きしめる手の力を弱めた。



「……」


何よ、私ばっかりこんな必死になってるのに、

こんなに簡単に手放して、

もう寝ちゃうんだ。




本当に心から、私に帰って欲しかったみたいに、(あるいは本当にそうなのかな)

すやすやとかわいい寝顔で寝息を立てる祥太。