「送ってくれてありがとう。」 「いーえ。じゃあまた明日ね」 「うん!」 璃緒が帰ろうと踵を返そうとしたとき、私は声をかけた。 「璃緒!」 「ん?」 「私と出逢ってくれてありがとう!」 「こちらこそ」 そう言って、璃緒は優しく微笑んだ。 この時、初めて璃緒の音階が聞こえた気がする。 幸せの音階が_____。