頭を下げたまま全然動かない3人。

どうしよう。大丈夫って伝えたくても頭を上げてくれなきゃ文字を読んでもらうこともできない。

声がでない不便さをこんな形で痛感することになるなんて…。

奏多さんの袖を引っ張って、先輩方に頭をあげて欲しいって伝えてほしいことをタブレットに打ち込んで見せると、奏多さんは苦笑する。

「先輩、琴音ちゃんが頭あげてくれって」

「はい…」

ふぅ、やっと頭をあげてくれた。

文字を打ち直して、びっくりしただけだから大丈夫と伝えると涙ぐまれる。

どうしてですか…。

「琴音さん優しすぎます」

「俺ら琴音さんに一生ついていきます!!」

「俺もっ!」

「!?」

どんな宣言!?それは普通季龍さんに伝えることでは!?

先輩方の熱意にどう答えていいのかよく分からない…。