「琴音、とりあえず戻るぞ」

「コク」

これどうしよう。とりあえず物置に帰ってもらって、イケメンさんの後をちょこちょこついていった。

初めにいた部屋に戻って、ちょこんと座る。金髪の人も一緒にいた。

「現状を見て分かったとは思うが、機能していない家事一切を任せる」

「コク」

「朝、夜の食事の数は大体50人分だと思え。多少前後すると思うが、それはその都度連絡する」

「コク」

「で、そのタブレットで必要なものは買え。食費は1日5万を目安に。食材以外は買う前に俺がこいつに連絡してから」

あ、そのためのものなんだ…。

メモ帳に「食費5万まで」「その他は相談」と書いて顔を上げる。

あれ、説明終わり?メモ帳機能を開いて、ポチポチ打つ。

『名前、教えてくれませんか?』

「名前?あー、言ってなかったな。俺、春木 信洋ね。24歳、彼女はいないよ」

金髪の人が、ノリノリで答えてくれる。春木 信洋(はるき のぶひろ)さん。よし、覚えた。

頭を下げると、撫でられた。