「琴音、その説明はあとだ。とりあえず、ここが台所だ。中見てみろ」

「…?」

中?何かあるんでしょうか?

言われるがままにイケメンさんの前に出てて(失礼します)、木製のドアの取っ手に手をかける。

台所でしょ?どれくらいの広さなんだろ。

「!!?」

そんな好奇心でドアを引くと、目の前に広がった光景に思わずビシャンッとドアを閉めた。

ダイドコロ?コレガ?

一瞬しか見てないけど、視界に映ったのは絶対台所なんかじゃない。なんかいろいろタワーが出来てたような。

「っぶ!ぎゃははっここちゃんはえー!!」

「信洋うるさい」

「…」

深呼吸して…今のは幻覚かもしれない。ほら、今頭大混乱してるからさ。

息を整えて…いざ!!

「…」

幻覚じゃなかった。どうやら私の目は正常稼働中だったみたい。

恐る恐る中を覗くと、鼻を突いた臭いにすぐに顔を引っ込めた。

台所という名のところは、生ゴミ収集所と呼ぶのがふさわしいと断言したくなるほど、ひどい有り様だった。

うわ、器に食べ残しが入ったまま放置されてるッ!ひぇー!Gが出そう…いや、絶対出る!!