「開いてみ。機械は苦手?」

首を横に振りかけて、首をかしげる。苦手…苦手?んー??

どうなんでしょう。とりあえず普通にスマホとパソコンは使えた。

「分かんないか。それじゃ、とりあえずてきとーに説明すると、その端末はここちゃんにあげる。でも、開けるサイトは制限かかってるからな。まぁ、買い物するのにつかうくらいだろうな。後はメモ帳機能。筆談に使いな?」

パスワードのないロックを開くと、アイコンがほとんどない。

某有名ネット通販サイトを直接開けるアイコンが数個と、これまた某有名ショッピングセンターのサイトを直接開くアイコンが1つ。

後はメモ帳のアイコン。それだけだ。メールもブラウザも、カメラでさえ起動しない。

ハイテク器機なのにこんなに制限をかけられると、その機能も色褪せてしまう。

何がともわれ、早速メモ帳を開くと、入力をキーボードにして、ポチポチ打つ。

『ありがとうございます』

「どーいたしまして。若から許可出たらまた機能増やしてあげるからな、ここちゃん」

…さっきから気になっていたけど、ここちゃんって私のこと…だよね?

なんだか新鮮なニックネームだ。