同じような景色が続く。さっきの部屋に戻れる自信なくなってきた。
ラミネートされた方の地図を見ながら、イケメンさんの後を必至に追いかける。
「…」
イケメンさんが立ち止まった。だけど、なにかをじっと見つめて動かない。どうしたんでしょう。
「…?!!」
ひょこっと首の伸ばしてイケメンさんの隣から見てみると、なんだかかわいいプレートがあった。
100均にあるような木製のプレートに、“きっちん”とこれまた木の文字がつけられている。
丁寧に色が塗ってあるし、スプーンとフォークの絵まで書いてある。
かわいいけど、和装なこの家にはちょっと似合わない。しかも“きっちん”って…。そこはせめて台所の方が合ってると思う。いや、なんでひらがな?
「おーい、若できたぞーって、何固まってんだ?」
あ、さっきの人。づかづかと歩いてきたその人は、イケメンさんがさっきから睨み付けるようにして見てるプレートを見ると、思いっきり吹き出した。
「ぎゃははっあ、あいつら!!」
「?」
「…信洋、できたのか」
「っはは、はぁはぁ、ここちゃん、はいどうぞ」
笑い冷めやらぬ中、差し出されたのはタブレット端末。
受け取ると、ロック画面にはなぜかうさぎのイラストが大きく写し出されてた。