「とりあえず、お前が覚えてることまで教えろ」

差し出されたのはスマホ。メモ帳のアプリが起動されてた。

それを受け取って、ポチポチと文字を打つ。うぅ、実はこれ苦手。

パソコンなら並みのスピードが打てるけど、スマホだとガラケーと同じように打つし、しかも遅いから時間がかかる。

自分なりの急いだスピードで打って、イケメンさんに画面を見せる。

『売られたことは分かっています。ただ、誰に買われたのかは分かりません』

「…そうか。結論から言えば、お前を買ったのは俺だ」

「…?」

俺?目の前のイケメンさんが?へー…。

…………………………………………………………………っ!?!?

嘘!?なんで!?!?え、じゃあ、あの2人じゃないの!?え、私すんごく失礼なこと考えてました!?

とりあえず、深々と頭を下げる。この人がご主人様…?なんだよね?

とにかく謝りたいのが伝わればいい。じっとして、許可が降りるのを待った。

「頭をあげろ。その心がけは認めてやる」

恐る恐る顔を上げると、早くしろという視線がぶつかってきて、素早く顔をあげた。