4限が終わり、昼休みになった。


昼食をとるために、中庭に出た。


ぽかぽかとした日照りで、たまに心地よい風が吹いている。


風によって、飛ばされてくる桜の花びらはとても綺麗だ。



「朱莉〜!早く〜!」



きゃっきゃっと笑いながら、早く〜というのは、華だ。


それに、呆れながらも笑う。


桜の木の下で、昼食をとることにした。



「でねー、チェリストのー、」



華が大好きな、バンドの話をするのを聞き流しながら、桜を見ていると。



「きゃぁぁぁぁあああ!」



耳元で、悲鳴が上がった。


びくっとして、悲鳴をあげた本人の華を見る。



「華、うるさい。」



ぴしゃりと真知が言うが、それすら耳に入っていないようだ。