早足で、廊下を歩く。



「なぁ、頼むよ。これのゴミ捨てにいってくれるだけで、いいんだからさ」



「えっ、その、予定が…あるので」



「だからさー!」



こんな、会話が聞こえる。


大方、ごみ捨て当番なのにサボりたいからと女の子に押し付けようとしているのだろう。


即、その場に着くとやはり男子生徒2名が、ゴミ袋を真面目そうな、女の子に押し付けようとしていた。



「なにをしてるんだ?早坂、赤木」



「誰だよ…」



ゆっくりと、睨むように振り返った2人は私を見て、凍りついた。



「お、鬼会長…」



「てめーら、自分の仕事ぐらい自分でやれよ!」



「ひぃぃぃ!」



ぎゃぁぁぁとなんとも、情けない悲鳴をあげながら、逃げてしまった。


情けないやつらだ。



「あの、朱莉会長、ありがとうございました!」



「どういたしまして。気をつけてね」



にこっと笑顔で、笑いかけた。


女の子もにこっと笑ってくれた。


女の子の笑顔に癒された後、見回りを再開した。