そういうと、生意気な後輩が気に入らなかったのか、睨んできた。


おー、怖い怖い。



「なあ、お前わかってんのか?お前は後輩だ。先輩に向かって生意気言ってんじゃねえよ」



「先輩だと威張るのなら、後輩に誇れる先輩になってください」



「てめえ!」


とうとう、キレたのだろう。


先輩は、殴ろうとしてきた。それを受け止めようと手を出した時。


その手はやんわりと、握られ先輩の腕は締め上げられていた。



「ダメですよ、先輩」



初めて、聞いたこの声。


この声は私の胸の中で大きく、震えた。


男子だからか、声も低くて背も高い。


でも、男子にある威圧感は全くなくて優しく包んでくれそうな、優しいオーラを持っていた。