華の目線をたどると、学校の王子様がファンの女の子だろうか、集団と大名行列みたいに、移動していた。



「奏翔くんだよ！！」



きゃーきゃー言う華は、学校の王子様に恋をしているみたいだ。



「華、王子の事好きなの？」



「え？ないない、見てるだけの目の保養」



えへ、と笑う華は小悪魔にしか見えない。



「華が、恋してるのは王子の親友の立川稜馬くんだもんね。」



「ちょ、真知ー、言わないでよぉー」



頬を染め、照れ笑いしている華はとても可愛い。



「ねぇ、真知は？居ないの、好きな人」



「私？居ないよ。だって、私の理想の人って、ハードル高いもん。」



ニヤッと笑う、真知は知りたい？と聞いてきた。


親友の理想の異性の人像。気にならない訳が無い。



「どんな人？教えて！」



「ふふ、それはね。朱莉みたいな人がいいの。私。」