「「「「コージローさんっ!!!」」」」




全員それぞれ喋り捲ってたのにバッチリ声が揃う。ファミレスにいるほぼ全員の視線の先にこの男がいる。




勢いよく振り向いて足を進めようとしたその先にいた男の腕の中にわたしは収まっていた。



身を捩って離れようとしても動けないほどの力で腕を背中に回されている。



「離して」


「ん?席座るか?」



「帰る」




「帰るなら離さねーぞ」




「おいコージロー、離してやれよ。注目浴びてる。」



「いーんじゃね?オネーさん、さっきシーカ?て呼ばれてたよな?な?」


「呼ばれてない。離して」「そーです!!そのコ、シーカって言う名前です!!」





帰りたい。なんで普通に着いて来ちゃったんだろう。