◇◇◇◇
「うお!」

「うわお」

「ひゅぅ」

「きゃあっ」


拓巳と一緒に出社すると、案の定、社内中の視線が一気に集中。
う。だから時間差で出たいって言ったのに!

穴を掘ってもぐってしまいたいような気持で、デスクへカバンを置いた。
「おはよぉ」
翠がニヤニヤ笑いながらこっちを見てくる。

「おーおーお二人さん、朝からご一緒ですかぁ」

「あのね田所っ違うから! これはそのっ、偶然にも下で会って、一緒に上がってきただけで。ね、拓巳、そうでしょ?」

無言の圧力を視線にこめて、拓巳をギュッとにらむ。

「そうだね」
あっけらかんと、拓巳は微笑んだ。


あ、あれ? 

あっさり同意されて拍子抜けしていると。