でも、あきちゃんは…

そう思ってあきちゃんを見ていたらその視線に気付き気まずそうに笑い

「俺はたくさんと違ってバカでしたけど、どーしてもたくさんとまだ居たくって、たくさんに勉強教えて貰ってなんとか教師になったんスよ!俺が今ここで働けてるのもたくさんのおかげですし!」

今でも仲いいのか…

昔からたっくんはあきちゃんには特別目をかけてたし…

「教えたのはいいんだけど、こいつ国語しか頑張れなくてよ、他はダメダメだぜ!」

『それって、大丈夫?』

「だ、大丈夫ッスよ!とりあえず、教えられればいいんですし!そもそもここのやつら俺ら教師に教えを求めてないので!」

あきちゃんのこの表情を見ると今までとりあえず、なんとかなってんのか…

さすがたっくんが理事長務めるだけの学校だわ…

――コンっ

「さて、紘には大事な話をしようか」

たっくんが理事長のイスに座り、机を指で軽く叩き、あたしをしっかりと見た

『大事な話?』

「そう…」

急に真面目な顔になるたっくん

たっくんのこの表情を見るのは久しぶりだな…

「紘、ここの地域にはな、ここのトップを争う2つのデケー族があんだ…白龍(はくりゅう)こいつらは、危険な事には手は出してないから大丈夫だ」

『どーして、たっくんが大丈夫なんて言えるの?』

族なんて分かんないもんじゃん

「あぁ、そりゃ俺が白龍の創立者で初代総長だからだ!」

昔あたしのいたところでも族を作っちゃってたけど、こっちでも族を作っちゃったのかよ!!

あたしは、たっくん関係の中の一つの族に入ってしまったけど…

『真面目に教師やってるんじゃなかったの?』

なんか、不安になってきたんだけど…

「ほら、やっぱりここは、今でも不良学校だし、やっぱ不良は不良にしか出来ない青春とかあるだろ!と思って創ってみた!」

てへって笑ってるけど

『そうかもしんないけどさ…』

「俺が総長の時、あきが特攻隊長で総長補佐だったよ!」

うん、まぁたっくんが創ったってなればあきちゃんは頼み込むだろうね…

そんな事しなくてもたっくんはあきちゃんを引き込むだろうけど…

「けれど、たくさんが白龍創設者で初代総長であり俺が初代幹部だったことは今の白龍のやつらは知りません。」

知らない…

初代となればどの年代の奴らも知りたがるはずなのに…

「学校に初代総長、初代幹部がいるなんて知ったら騒ぎになることが目に見えてる事なので絶対に俺らは明かしません!初代のことを調べるのも禁忌にしてあります。」

なるほどね、どの族にも情報参謀はいるだろうからね…