――バンッ

勢いよく理事長室の扉が開いた

ノックなし

「たくさん、転入生が女の子って…」

言い終わる前にあたしを見た

「えっ…紘さんですか?」

あれ?まさか…

『あきちゃん?』

あたしがそう言えば驚いた顔をされ

「そうッス!お久しぶりッスね!」

あたしの手を握りぶんぶん上下に振った

あたしの目の前にいるのは、たっくんと仲のよかった1人の後輩

稲垣 秋人(いながき あきひと) 25歳

昔は金髪ストレートだったのに、ストレートはそのままだけど落ち着いた茶色になってる

たっくん同様顔はいい!イケメンに分類されるだろう

だか、たっくんと同じようにかっこいいとは思うが昔から知っているから恋愛感情は、持たない

『なるほどね、あきちゃんならあたしの事知ってるからどんな事でもなんとでもなるってわけか…』

そう言ってたっくんを見れば

「正解だ!それと、あきならお前も気が楽だろ!」

確かにね、すべてを知ってる訳ではないけど知り合いがいるってだけで気が楽なのは確かだ

「紘さんが、俺のクラスに来る転校生だったんスか!ビックリしましたよ!」

あっ!ここって学校!!

『えっ!あきちゃんって勉強教えられるの?』

「はい、俺、国語を教えてるんスよ!」

あれ?でも、確か…

『たっくんとあきちゃんってそこまで頭よかったっけ?』

あれ?

「あぁ、俺はあそこを辞める少し前から勉強を始めたんだよ!それに、俺は学校にはとりあえず行ってたしな!」

あぁ、確かに

『そーいえば、なんか知らんかったけどテスト前にはあたしに教えを求めてたもんね…』

今、思い返せばそうだわ…

あたしが家の事情で小学生の低学年のときに大学までの授業内容をすべて習っていた…

「そーゆーこと!俺自身そこまでバカってわけではなかったしな!」

確かにたっくんはまぁまぁの高校には行ってたね…

『小学校の低学年の子供に教えを求めるのもどうかと思うけどね…』

軽く笑ってあきちゃんを見る…