敬語とか使われる側だったから、気が付かなかった…

「いいよ!タメで」

『涼は、年上だよね?いいの?』

「いいよ、せっかく話せたんだから。」

まぁ、涼がいいなら

『わかった』

そしたら、笑顔を向けられたけど…

『ねぇ、涼ってどうして笑ってるの?』

「えっ!」

涼の笑顔が崩れた

しまった!

せっかく、案内してくれてたのに…

涼は、肩を震わせてる

「あはははは!」

わ、笑ってる…

今度はちゃんと笑ってる…

「俺初めて、気づかれたよ!」

『そうなんだ…でも、どうして?』

「うーん、これは直せないクセなんだよねー!」

少し遠い目をする涼

『直せないクセ?』

「そう、だから、我慢してね!」

あたしを見てウインクした

『いいけど、程々にしないと、いつか涼が壊れちゃうよ』

「分かった!肝に銘じとく」

直せないクセを直せなんて言わないけどさ…

「さてと、ここが理事長室だよ!」

いつの間にか理事長室って、書いてあるドアの前だ

『ありがとう、涼』

涼に、お礼を言った

「どういたしまして!紘ちゃんと話せて楽しかったよ!また、話そうね!」

『あ、うん』

なんか、涼って人の心を読めそうな人そうだから自分のボロが出そうで怖いけど…

手を振って去っていく涼を見送って理事長室のドアをノックなしで開けた

まぁ、いっか…