頭の中にある地図を頼りに高校へ向かうことにした

確か徒歩10分程度の場所のはず

~青龍高校(せいりゅうこうこう)~

あった、ここだ

不良高校って聞いていたけど外見だけは普通の高校と変わらない感じがする

まぁ、ここ以外あたしが通えるとこは、もうないだろうけどね…

仕方ないや…腹を括ったんだから…

諦めて正門から校舎へ向かって歩き出した

周りの視線が痛いけど分かっていたことだ

「ねぇ、キミ」

後ろから声が聞こえるけどあたしじゃないと思って振り返りなかった…

理事長室へ行きたいのにここ広いな…

「ねぇ、キミってば!無視しないでよ!」

突然肩を捕まれ振り返えざるえなかった

『あたしに用だった?』

振り返って声の主を見た

不良には、珍しい明るい茶色だ…

「ここが、どこだか知ってる?」

どこって…

『学校、それ以外それ以上でもないでしょう』

「あ、うん、そうなんだけど…」

なんなの?

まぁ、なんでもいいや…

『ねぇ、理事長室へ行きたいんだけど…』

一瞬驚いた顔をしたが、すぐ笑顔で

「あぁ、理事長に用だったんだね、この学校広いから分からないよね、連れてってあげるよ」

えっ、マジで

『連れてってくれるの?』

「うん、いいよ!」

それは、助かる

でも、この男の笑顔って…

「ねぇ、キミの名前は?」

『龍崎 紘(りゅうざき ひろ)』

「紘ちゃんでいい?」

ちゃん付けとか、いつぶりだろう?

『うん、いいよ!君は?』

「えっ!俺?」

なんで不思議そうな顔されなきゃいけないのさ…

『うん、あたしも教えたし教えてくれないと不公平じゃん』

「あ、うん、そうだね。俺は鈴島 涼(すずしま りょう)だよ!よろしくね!」

『よろしく』

「こちらこそ、紘ちゃんいくつ?」

年まで聞くんだ…構わんけどさ…

『16だけど』

「てことは、高1?」

『うん、そうだよ』

「へぇ、俺と同じくらいだと思ったんだけど」

まさか…

『涼って、いくつ?』

「ふふふ、18だよ!」

うそ…

『高3?』

「正解ー!紘ちゃんより年上だよー!」

マジですか…

やっちゃったな…

『敬語使います…』