「ありがとう」 「いえ。」 「えらく遅かったけど…仕事でもしてたの?」 百合の花を見ながらお嬢様が言う。 「祐樹のお母さんに会いに行ってました」 「元気だった?」 「はい。強がっているだけかもしれないけど…。」 「会ってみたいな…」 「祐樹のお母さんも、お嬢様に会いたいと言ってましたよ。」 「じゃ、今度一緒に連れていってよ。」 「はい。分かりました。今度行くときに声をかけます」