「ちょっとさ、会議が長くなっちまって…。」



会議…。


そうか…ちゃんと仕事
やってんだな。


…って俺は、こいつの母ちゃんか!



「いいよ。それより何なんだよ?呼び出したりして!早く用件済ませよ。お嬢様に頼まれた仕事終わってねーんだ。」



こいつの母ちゃんみたいな事を思った自分にイライラしながら五月に言った




「…お嬢様?」


「あ?何だよ。」


「あぁ…そっか。お嬢様…コトのとこで、まだ執事やってたんだ。」



コトってのはお嬢様のこと




お嬢様の名前は
五十嵐 琴子〈イガラシ コトコ〉


こいつは、付き合う前からお嬢様のことを“コト”って呼んでる




「そうだけど…何か不都合か?俺の自由だろ。」



「あぁ。弁護士になった…って言ってたじゃん。だから執事は辞めたんだと思って。」