歴史が語らざる 聖母の名を歌いましょう
愛は大地に還り 幾度も花を生かす__


「ヴェ?何これ…」
手に取ったそれは、随分と古ぼけた日記帳。
束ねたパピルス紙に書かれたサインが、それが爺ちゃんのものだと物語っていた。
「何だよバカ弟。なんか見つけたのか」
「あ、兄ちゃん!これみてみて」
「あ?日記…爺さんのか。どれ……」

今日から日記をつけろ、とアズマに言われた。
王者たるもの、記録を遺しておくのは勤めだと。