「おい!お前、病院行かなきゃやべーんじゃねぇか?その傷は…」


戻ってきて早々に康介が怪我の心配をしてくれた。


だがな。


「今行けるわけねぇだろ。
目の前にはあの堂島がいて、望が戦ってる。今ここを離れるわけには行かねぇ…!」


「はぁ…そうだよな。お前はそういうやつだもんな。」


何故かため息をつかれた。


「本人がこういう限り、病院は行かないんだろうけど、その出血はやばいな…。ちょっと待てよ!」


宏樹がちらっとこっちを見て、体中のポケットを漁りはじめた。


「お!あった!
ちょっと腕かせ。」


大きめの布を取り出して、腕に巻き付け、止血してくれた。


「ありがとな」


礼を言うと、宏樹は頷いた。