「僕たちカップルに見えるんだねぇ〜」


笑顔で葉七ちゃんの方を向いた。

笑顔というより、ニヤニヤに近い笑い方だけど


バシッと背中を思いっきり叩かれた。


「冗談やめてよね」


顔がまだ赤く、怒っても全然怖くなかった。


「はいはーい」


空返事をして、流した。


「なんか人多くなってきた〜?」


そのことには触れず、葉七ちゃんが周りを見た。


「そろそろ花火上がっちゃうもんね〜
このあたりだと見えないかもね〜」


残念気味にそう言うと、葉七ちゃんがまたキラキラした表情になった。


「私穴場知ってる!!」

「ほんとに?」

「うん!こっち!」


そう言って、葉七ちゃんに手を引かれ、小走りで進んだ。