「だったら、葉七ちゃんが小さい子のヨーヨー見ながら、目を輝かせてたことを僕が知っててもおかしくないよね?」


笑顔で言うと、葉七ちゃんは恥ずかしそうに肩をくすめた。


「玲くんは私のことよく見てるね。」


自分で葉七ちゃんのことが気になってると言ったみたいで、恥ずかしくなった。


「あ!玲くん、顔赤くなってるぅ〜!」


ここぞとばかりにいじってくる葉七ちゃん。


この状況をどうにかしたくて、ヨーヨー釣りのおじさんに声をかけた。


「おじさん!ヨーヨー1回ずつ!」

「あいよ〜」


おじさんからこよりを受け取った。


「葉七ちゃん、どれがいい?」

「う〜ん…。緑かな!水色も好きなんだけどね!」


緑…。

なんか葉七ちゃんのイメージにぴったりだ。


「なんで緑が好きなの?」


こよりで水色のヨーヨーを狙いながらさり気なく聞いた。


「名前が葉七、だからかなぁ。葉っぱってさ、緑でしょ?」

「そうだね」

「でも緑は緑でも黄緑っぽいのもあれば深緑もある。そう言う植物によっての色の違いっていうかそういうのを知ってから、緑が好きになったんだ!」


笑顔で話す葉七ちゃんを横目で見ながら、こよりをグッと引っ張った。


「よしっ」


狙っていた水色のヨーヨーがうまく取れた。