それらをこれ以上抑えきれず、

「あのっ……」

彼に声を投げかけていた。

首をゆっくり動かして、目線を窓の外から私へと移した彼が、なんだ?とでも言いそうな表情を見せる。

それを確認し、

「学校…来れたんですね。」

失礼が無いように文章の伝え方を練った結果だった。後々、もしかしたら気に障ったかもしれないと感じた。

思わず目線をそらしてしまう。再度、目線を戻すと、目を見開いて青ざめている彼がいた。

あぁ、やっぱりダメだったんだ。

触れてはいけないものに触った気がして、申し訳なさがつのる。

その時、私の口から零れたものは、ちっぽけなものだった。

「ごめんなさい…」

沈黙。二人の間に、微妙な空気が流れ込む。

どうしたらいいのだろうか。

沈黙が1秒、2秒と過ぎるにつれて、彼の表情がみるみる青みを増していく。

それに比例して、私の後悔が増す。