「うっ、ぐ………」

馬鹿みたいに出てくる、自分の情けない声を悔しく感じた。

「…しみくん、星美くん。」

自分の名前を呼ぶ声が、はっきりと耳に届いた。

━━誰だ。今は自分の名前など聞きたくもない。俺に構うな。

「星美くん。」

また呼ばれた。少し声の高い、男性の声に。

「…君は事故に遭ったけど、奇跡的に、君だけが助かった。」

続けて、

「君の両親は…亡くなって、しまった。」

少し高い声は、俺の『痛み』を増幅させた。

凄く痛い。どうしてくれるんだ。身体の痛みもズキズキと響いてくる。

そして視界が滲んだ。まだあったのか。そう思いながら、ボロボロ流れるそれは先程よりも勢いを増す。

「君の気持ちは分かるよ。だけど、受け入れ」

「あんたに何が分かるんだよ!!」

気づけばそいつの言葉を遮っていた。

「何も知らないくせに、同情するな。俺は大切な人を、また失ったんだ。知ってるんだ。受け入れられるわけないだろう!?あんたは俺じゃないから、俺の苦しみなんて分からない。悔しさだって、自分に対する無情さだって、あんたの気持ちじゃない。俺の……俺の…」

引っ掛かった。俺の、何だ。