ママは、急遽店を閉め


病院まで着いて来てくれた。


治療が終わって待合室に行くと


美月が心配そうに駆け寄り


手を貸してくれた。



「ありがと。

  ママ、ご迷惑お掛けしてすいません。

         お客さん大丈夫でしたか?」


「あなたって子は・・・   

  どうして自分の心配じゃなく、店の・・・」


ママは肩に手を置き、涙ぐんだ。


「あたしの問題ですから・・・

 店は、ママの居場所だから・・・

 あたしのせいで、汚れてしまったから・・・」


千尋は、重たい頭を下げた。


「良いのよ!

 今日のお客さんが来なくなっても

 千尋のせいじゃないからね!

 後は、自分の事を考えなさい!

 早く元気になって、また笑顔見せて!」


「ありがとうございます。

    すぐ治りますよ!こんな、かすり傷!」


3人は、顔を見合わせて辛そうな笑顔。



そして、ママはタクシー代を美月に渡し


玄関先で別れた。