不思議と涙は出なかった。


これまでに、何度も泣いたし


吹っ切れていたのかもしれない。



ママも心配して声を掛けてくれた。


「色々すいませんでした。

           でも、終わりましたから」


「そう、大変だったね」


笑顔で答えてくれた。



終わった!


2年間、心と身体、全部で愛した!


もう、こんなに人を愛する事はないだろう


さようなら


シュン・・・


ありがとう。。。




平日の夜なので、ママのお客さん1組と


美月のお客さんが1組だけだったので


千尋は、カウンターの端でボーとしていた。



「千尋、今日は飲む?」


美月がグラスを持って来てくれた。



その時・・・



「なんだよー!テメー!!!」


外で、凄い怒声が聞こえた。