その時、ドアが開いて看護師さんが
出て来た。
「お見舞いですか?」
「ああ、いえ、はい」
返事になってない。
「川崎さん、お見舞いに来られてますよ」
と声を掛けた。
看護師さんに《どうぞ》と言われ
部屋を覗く。
誰もいないみたいで・・・シュンが見えた。
「千尋?」
看護師さんに礼を言って、中に入った。
シュンは、少し痩せて顔色も悪い。
久しぶりに会った事もあって
涙が込み上げてきた。
「こっちおいで」
傍へ行くと、手を繋いでくれた。
「ごめんな、連絡出来なくて」
「心配で、心配で・・・グスッ」
「ありがとう。
顔が見たかったから嬉しいよ」
その表情を見て、少し安心した。