「カナちゃん……痛い所はない?」



チータはあの頃のチータのまま、何も変わらない表情であたしの視界へと入ってくる。



「どうしてだよ?」



「……えっ?」



人が変わってしまったんじゃないかってくらい、チータの姿が変わっていたならあたしはあんたを心底憎むことが出来たのに。



心配性な性格も、困ると眉毛が下がる所も何一つ変わっていない。



あたしはそんなあんたにどう接すればいい?



「なんでこんな所にいるんだよ?」



「色々とあって」



「なんでみんなを裏切ったんだよ?」



「色々と……」



あたしの質問にチータの眉毛はどんどんと垂れ下がっていく。



「裏切ったくせに……明美をあんな目に合わせたくせに……なんであたしなんかの心配してるんだよ!!」



あたしは流れそうな涙を必死に堪え、下唇を強く噛み締めた。