「起きてたのか」



そう言いながら突然家の中に入ってきたのは豊。



豊の家だから、突然入ってくるも何もないんだけど……



「起きてんならさっさと用意しろよ」



「うん。わかってる」



あたしは顔を洗い、制服に着替える。



「今日も真っ直ぐ屋上行けよ」



豊は用意をしているあたしに煙草を吸いながら話しかける。



「教室に行きたい。友達とも話がしたいし」



あたしは昨日教室で見た萌の顔つきが気になっていた。



「ダメだって言っても行くんだろ?」



「もちろん」



「なら俺も行く」



「嫌だって言っても来るんだろ?」



「あぁ」



あたしは豊といると宗のことなどまったく忘れて、今のこの状況を楽しんでいる。



そんな自分に気付くと無性に腹が立った。